NSN(ナショナル・ストック・ナンバー)とは?

By |2020-01-15T14:31:34+09:0011月 28th, 2019|

NSN(ナショナル・ストック・ナンバー)とは? NSNは米国の連邦補給システムで調達される品目に対して割り当てられている管理番号です。航空機の部品から蛍光灯バルブに至るまで様々な品目にNSNが割り当てられています。その番号形態からどのような品目なのかがわかります。NSNを使用することで品目の名称や特性や管理データが標準化され、類似した品目の在庫が重複しないようになっています。調達予定品目に対して、軍需品としての試験要件や評価要件を標準化することができ、潜在的な重複品を特定することにも役立てられています。 米国エアフォースの「F/A-22ラプター」。何千点ものラプターの部品にもNSNが割り当てられている。 様々なタイプの蛍光灯電球にもNSNは割り当てられている。 NSNは米国政府、NATO軍をはじめ多くの国々にも正式に採用されている管理番号です。米国国防総では毎年何十億ドルもの装備品を購入されており、これらを管理するためにNSNを使用しています。現在では600万以上のNSNが連邦補給システムに登録されています。 なぜNSNが必要なのか? 第二次世界大戦中、それぞれの米国陸軍、海軍といった各ミリタリー・サービス機関において補給品の名称はそれぞれバラバラで、同じような品目であるにも関わらず、様々な名称で管理されていました。このため必要な補給品を探すのが難しくなり、陸海軍など異なる組織を通じての補給品の共有ができない状態になっていました。品目の名称がバラバラであることは大きな要因であることは明らかでしたので、ある組織では欠品扱い、他の組織では余っているという状態になってしまっていました。 ここで最も問題となってくるのが、そもそもこの品目の名前はいったい何なんのかということでした。ちなみにこの画像の名称はなんでしょうか?Washer(ワッシャー)? Spacer(スペーサー)? Shim(シム)? この品目の正しい名称はWASHER, FLATとされています。 このように現在では品目の一般名と説明的な用語を組み合わせる表記がされることが一般的になっています。 仮に組織ごとにバラバラな名称で呼んでると、他の組織がこの品目を指定して依頼できなくなってしまいます。国防総省が特製情報を全て作成することで、簡単に類似品を比較したり、似たような品目が増えてしまわないようになっています。 現在でも製造元は先のワッシャーの例のように同じ部品に対して異なる名称を多数使用しています。同じ製品に対して異なる名称が使用されていると在庫管理、補給品管理において、多数の重複品が生じることなってしまうのです。 このようなことから民間の企業においても製品番号や製品情報の管理のためにUPC(Universal Product Code)やNDC(National Drug Code)やUNSPSC(Universal Standard Products and Services Classification Code)を採用するなどの試みが行われています。 NSNの構造とは? 日本に長年在住している人は「03-5366-3111」という数字の羅列を見て、これが電話番号であるということがすぐにわかります。最初の番号の2桁が市外局番、続いて市内局番、最後に4桁の加入者番号であることを知っている人も多いかと思います。 NSNも電話番号と同様にそれぞれのまとまりごとに補給品固有の情報が書式化されています。NSNは6240-00-357-7976のように13桁で構成されています。 NSNの最初の4桁は連邦補給品分類(FSC - Federal Supply Class)として知られています。例えば6240は電灯です。蛍光灯、白熱灯、水銀灯、ナトリウム灯などの品目がここに含まれます。次の2桁は国番号です。このコードはNSNの割り当てを依頼した国を示す番号です。コード00とコード01はともに米国であることを示しています。残りの7桁については一意で順番に割り当てられていきます。 誰でもNSNの割り当てを要求できる? 製造元やサプライヤーはNSNを要求することはできません。通常は米国陸海空軍・海兵隊のようなミリタリー・サービス、NATO加盟国、連邦政府機関、CSWS(Contractor Support [...]